〜Panasonic社のマーケティングDX事例〜 これまで実現できなかった広告データの利活用・内製化プロジェクト
日本家電メーカーのトップとして、今なお最前線を走り続けるパナソニックグループ(以下パナソニック)。1935年の創業以来、エアコンや洗濯機などといった白物家電分野をはじめ、照明器具・配線器具などの住宅設備分野、リチウムイオン二次電池などの車載分野など幅広い領域の家電を牽引されております。
2020年12月には公式ショッピングサイト「Panasonic Store Plus(パナソニックストア プラス)」をオープン。新たな顧客体験価値を提供することを常に重要視している同社で、現在力を入れているマーケティングとはどういうものなのか。くらし事業本部に所属する加藤様にお話を伺いました。
◆パナソニック社が目指す最先端のマーケティングDX
REHATCH平野(以下:RH平野):日本の家電メーカーの最前線で活躍するパナソニック様のマーケティング支援をさせていただくことができ、大変光栄です。まさにここ数年で公式ECサイトのオープンやホールディングス化など、次々に変化を続けている貴社ですが、マーケティング領域で今特に力を入れているところはどのようなものになりますでしょうか。
Panasonic加藤様(以下:Pa加藤様):ありがとうございます。弊社は「常に顧客目線」という点を最重要視しており、企業全体として創業者「松下 幸之助氏」の思想を受け継いでおります。
消費者行動がリアルの場からインターネット上に移行している状況下で、お客様に対して今までよりも、必要なタイミングで必要なものを届けられる状態を作りたい。そういう思いから、特に最近ではWEB上でのコミュニケーションをどう実施していくかを重要視しております。
RE平野:サブスクリプションサービスの開始など、お客様が求めているサービスを次々手がけていらっしゃるなと感じております。特に食洗機のサブスクリプションはすごい人気と伺いました。
Pa加藤様:やはり一度試してみたいという方が多かったみたいです。
RE平野:今後さらにWEBも含めた顧客接点を創出していくと思うのですが、特に貴社で一番意識しているのはどういった点になりますでしょうか?
Pa加藤様:やはりこれだけのお客様にご利用いただいている弊社ですので、お客様のデータに基づいて、一人一人に最適なアプローチをしていきたいと考えております。お客様との接点は、メールもあれば、SNSで興味を持ってくれる人もいますし、広告で認知をしてくれる人もいらっしゃいます。こういったデータをうまく活用して、1to1のマーケティングをしていきたいという思いがあります。
RE平野:ファンが多いパナソニック様だからこそより必要な施策ですね。ちなみに、今はどういった取り組みを実施しているのでしょうか?
Pa加藤様:お客様がどんな商品をどのタイミングで興味を持って購入してくださるのか、そういったデータを一元化するところから始めています。蓄積したデータを学習しながら、お客様が必要なタイミングで必要な製品を届ける、というのが我々が実現したい未来像です。
◆現在の課題
RE平野:データドリブンなマーケティングを実施するにあたり、貴社で課題になっている点はどのようなところでしょうか。
Pa加藤様:データの集約まではできているのですが、そのデータをどのように見るのか、またどのように活用していくのか、これらの点を強化していく必要があると考えています。
また、広告領域は弊社としても一番お金をかけて実施しているのですが、その施策実施には代理店様にかなりお力添えをいただいているのが現状です。その結果、運用の内情がブラックボックスになってしまっている、という課題があります。特に、広告データについては現状自社に蓄積できていないため、既存のお客様への接点作りに活かせていないところが課題ですね。
RE平野:なるほど。ここはなかなか難しいですよね。
弊社のクライアント様でも広告データと自社データをうまく活用したい、というご要望をもつ企業様は多い一方、実践できている企業様はまだまだ少ないように思います。
◆課題解決のためにパナソニック社で進めていきたいこと
Pa加藤様:今後各プラットフォームでのオーナー兼を自社で持ったうえで、先程お話しした戦略を実行していきたいと考えております。
そのために直近の広告施策では、今まで代理店へ委任していた業務を少しずつ自社で賄えるような動きをしております。やはり自社のお客様のことは自分たちが一番わかっておりますので、時間はかかってもここを実現できるようにしていきたいですね。
RE平野:先程のお話の中でデータの一元化という話もございましたが、それを実現するためにもアカウントの保持から運用結果まで、自社にノウハウやデータを蓄積する、というのが重要ということですね。
◆REHATCHが支援をしながら進めている施策
Pa加藤様:REHATCHさんにはまさにここのアカウント移管からお話を進めていき、その他のご提案も頂いております。
RE平野:ありがとうございます。はい、まさに自社でデータを活用するための仕組みづくりを一緒に進めております。直近では、パナソニック様の施策の良し悪しを測るための独自指標を作っていきたいという話をしており、「パナソニックモデル(仮)」みたいなものを作ろうという動きもしております。
Pa加藤様:通常の代理店様だとここまで入り込んだご提案はしてくれないので、弊社の意図を汲み取った上でご支援いただいてるのは非常に助かっております。また、広告周りではデータの統合といったところにも尽力いただいております。
RE平野:パナソニック様の場合、施策対象の商材や出稿先の媒体が多岐にわたるため、各広告成果を統合して見れるよう、弊社の構築したBIプラットフォーム「ONE」を導入いたしました。今までは各広告成果が複数のExcelでバラバラになっていたところを、現在は、すべてダッシュボード上で統合して見れるようになっております。
Pa加藤様:ダッシュボードにアクセスすれば各広告成果を横串で確認することができるため、非常に助かっております。
◆今後REHATCHと進めていく予定の施策
Pa加藤様:今後としては、まずは広告周りからですが、弊社の基盤データに実績がちゃんと蓄積できる状態を作った上で、様々な施策を実施していきたいと思います。
RE平野:はい、ここをまずは尽力していければと考えております。直近ですとパナソニック様独自の評価指標をどう作っていくかという話もありますし、社員のみなさまへの研修という話もさせていただいております。メーカーだから、代理店だから、という目線ではなく、両者が自分たちの強みをどう活かして、お客様にベストな体験を届けるのか、という視点で、引き続きご支援していきたいと思います。
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