【データ連携が鍵】150億円調達企業のマーケティング事例
有名VCからの資金調達150億円、複数新規サービスの垂直立ち上げ、など破竹の勢いで事業成長している企業「UPSIDER」
REHATCH迫田(以下: RH迫田):「挑戦する人々がより活躍できる社会を創る」というミッションを掲げ、成長企業向けNo.1法人カードを提供する株式会社UPSIDER様。昨対比10倍以上で成長しているという記事も出ており、まさにフィンテック領域でユニコーン候補と呼び声が高い企業様です。今回は飛躍の要因でもある顧客基盤データを活用したマーケティング戦略について、UPSIDERのCOO水野様にマーケティング最新事例についてのお話を伺いたいと思います。
💡 株式会社UPSIDER 共同創業者 / COO水野 智規
ユーザベースの初期に入社し、NewsPicksやSPEEDAのマーケティングを統括。
2018年にCEO宮城とUPSIDERを創業した。
広告とCRMのデータ連携により、LTVでの費用対効果を算出。UPSIDERだからこそできるデータドリブンな広告運用
RH迫田:WEBマーケティングの領域は、大量のデータが取得できる一方、それをうまく活用できていない企業様が本当に多くいらっしゃると感じております。UPSIDER様では、マーケティングの施策を進めていく上で、データドリブンな広告運用を実現しておりますが、これまでどのような課題がありましたでしょうか?
UP水野様:分析するために必要なデータの一元化、というのが最初の課題でした。
まず弊社の場合、マーケティングの成果指標を「導入企業様の決済金額」で置いているため、何か施策を行った際の評価は「その施策で決済金額がどれだけ増えたか」という点を図ることになります。もちろん広告についても、顧客獲得単価を単純に追うのではなく、その後のお客様のサービス利用状況も全て包括して、施策を実施したい、そのための環境構築が必要でした。
RH迫田:ありがとうございます。ここは多くの企業様が頭を悩ませているCDP構築に近い話かもしれません。
データを溜め込むだけなら誰でもできるかもしれませんが、それを活用できないと意味がない。分析などへの活用まで見越してデータの蓄積構造を作るのが難しいですよね。まさにこの課題を解決するために、弊社のサービス「ONE」をまずは導入いただきました。
[図: ONEの画面キャプチャ]
広告データやCRMデータを一元化することで、実際に売上や利益が出ている広告施策を細かく分析することができるようになり、マーケティング予算の投資においての意思決定がしやすくなりました。費用対効果を決済金額から算出したROIで測れるようになることで、企業にインパクトのある適切な予算配分を定期的に調整する体制を構築できたと考えております。
UP水野様:そうですね。顧客基盤データを広告データに突合することによって、今までなんとなくでしか把握できていなかったLTVベースで効果のいい施策、悪い施策というのが瞬時に判断できるようになりました。
広告運用だとどうしても獲得単価を見がちなのですが、CPA(獲得単価)が高くても決済金額が高い顧客にしっかりとつながっているクリエイティブや、逆にCPA(獲得単価)が安くてもほとんど利用のない顧客にばかりつながっているクリエイティブが見えてくることで、打つべき施策が今までと変わってきたと感じています。
多少CPAが高くても売上につながっているクリエイティブの配信強化をする意思決定が即座にできるようになりました。
ちなみに、データはどのように突合しているのですか?
[図: ONEによるデータ突合のイメージ]
RH迫田:各広告データに識別用のラベルを付与しているのですが、それをCRMデータにも読み込ませることで共通のKEYを作り出し、データ突合をしています。そうすることで「この顧客はどの広告から来たのか」という情報を見えるようにしています。
広告データとCRMデータを統合した分析については、ほとんどの企業様がまだまだ実行できていないと感じるため、本当の意味でデータドリブンな意思決定をサポートする世界を、今後も弊社発信でつくっていきたいと考えております。
UP水野様:ここはREHATCHさんの強いところですよね。マーケティングでアクセルを踏む際には必須になってくると感じております。
事業成長をドライブさせるためのマーケティングで大事なこと。
RH迫田:最後に水野さんが考えられる事業成長に対しての重要なポイントとは何でしょうか?
UP水野様:あらゆるデータを分析してデータを元に意思決定していくことはもちろんですが、施策を検証していくスピードも重要になってきます。リアルタイムで施策の成果がわかる分、悪いものは素早く改善して良い結果につなげていきたいので、そのサイクルを高速で回すことができることが重要だと考えています。その点含めてデータ分析から広告運用までREHATCH様でサポートいただけているのはとても助かっています。
RH迫田:ここのスピード感はとても重要ですよね。我々としては、今それを事前に予測できないか、という視点で開発を進めております。配信していると、クリエイティブの効果も落ちてきますので、初動数日の結果を見てその疲弊タイミングや対策がわかるような予測モデルを作って実装していく予定です。
UPSIDERの今後の展望
RH迫田:最後に、UPSIDERさんの今後の展望についてぜひ教えてください。
UP水野様:UPSIDERとしては成長企業を後押しする「決済プラットフォーム」への進化を見据えており、「支払う」だけでなく「貯める、節約する、守る」といった領域にもサービスを拡張していきたいと考えています。また、今回の資金調達はグローバル展開も見据えており、国外でのサービス展開に向けた準備も進めていく計画です。
今後、弊社の事業成長をドライブさせるために必要なこととして考えているのは、「データ分析」と「スピード感」、そして「挑戦ができるかどうか」の3点です。他社での成功事例を真似するだけでは、大きなジャンプができません。前例がないところにチャレンジし続ける会社でありたいと考えています。
ちなみにここでいう挑戦とは、一か八かやる、という意味ではありません。周りの人が10%〜30%しか成功しない、と考えているものの中から、我々の視点で70%〜80%成功するものを見つけてチャレンジする、ということを心掛けています。UPSIDERの場合、さまざまな競合がいる中で「今さらカード事業でどうするの?」というのが周囲の評価だったと思っています。ただ我々はあるセグメントでは勝てると考えております。こういった、周りからは見えていないけれども自分達は知っている、という視点で勝負をこれからもしかけていきたいと考えています。
データ分析&広告運用はREHATCH
さまざまなプラットフォームを統合して広告のLTV分析や広告運用を実施して改善施策を回して行きます。
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